聖徳太子の仏教観
日本史では聖徳太子とは言わず、厩戸王だが、倫理の教科書では聖徳太子でOKだ!聖徳太子は仏教や儒教を導入しただけでなく、日本の古くからある神道と融合させたところに意味がある。
十七条の憲法をみてみよう!
第1条 和をもって貴しとなす。
第2条 篤く三宝(仏・法・僧)を敬え。
第10条 我が聖にあらず。彼必ず愚にあらず。ともにこれ凡夫ならくのみ。
第1条では和の尊重、第2条では、三宝(仏とは真理を悟った人のこと、法とはその教えの内容、僧とは仏の教えを実践する集団)
最も重要なのは第10条 凡夫の意味が最重要!
凡夫とは、欲望にとらわれた愚か者のこと、聖徳太子は、自分と相手の考えが違っても、自分が正しくて相手が間違っていると思ってはいけないと戒め、どちらも仏の目から見たら欲望にとらわれて迷う凡夫に過ぎないと説いたのです。
太子は亡くなるとき、「世間虚仮、唯物是真」という言葉を遺しています。世間は虚しく仮の世界であり、ただ仏だけが真実だ!という意味です。
記紀神話の時代とはまったく異なる価値観ですね。
三経義疏(法華経・勝鬘経・維摩経)を著したことも大事。