2001 19世紀における農村社会の変貌


【解法のヒント】

問1

問われているのは→100か村を越す村が結集して幕府に要求の実現を求めた訴えの名称。

国訴。

国訴の中心的な内容→特権商人の流通独占を排除しようとしたこと、合法的な訴だったことが説明できればよい。241㌻を読めば書いてある。即ち、「畿内を中心に、菜種・綿・金肥などをめぐり、生産地の百姓や在郷商人が、自由な流通を求め大坂の株仲間などによる流通支配に反対し、国や郡全体の広い範囲を巻き込む大規模な訴訟闘争をおこした。これを国訴と呼ぶ。」

多数の村が結集し得た理由→商品生産の進んだ地域では、豪農や在郷商人が生産者に原材料や道具を前貸しし、その製品を引き取る問屋制家内工業が発達した(山川教科書211㌻参照)。特に畿内では綿や菜種を原料とする(河内の木綿、近江麻、奈良の晒)手工業が発達していたこと(山川205㌻参照)、こうした商品生産・流通の発達により豪農・在郷商人が成長していったこと、それらが広域的に交流していったことが書ければよい。

問2

問われているのは→世直し一揆と百姓一揆の相違点。

幕末から明治初期とあるので、世直し一揆と判断できる。

従来の一揆である、惣百姓一揆は村民全員が参加し、領主への訴えであったこと、世直し一揆は貧農層が中心で、村役人や商人に対する打ちこわしであったことを対比して説明したい。

問3

問われているのは→二宮尊徳の農村復興策

農民に勤倹・倹約を説き、領主の年貢収奪制限を迫ったことが書ければよい。