22 戦後日本経済の歩み


ダウンロード
現社でGO!NO22 戦後日本経済の歩み①.pdf
PDFファイル 221.1 KB

現社でGONO22 戦後日本経済の歩み① RANKB 

戦後復興と高度経済成長

経済の自立化 GHQの指令によって改革が進められた

❶戦後の経済民主化

   1財閥解体GHQの指令により三井・三菱・住友・安田の四大財閥などの保有する株式を持株会社整理委員会に移行させ、財閥本社は解体→過度経済力集中排除法(1947年):巨大独占企業の分割措置→11社のみ

 独占禁止法制定(1947年):持株会社禁止など

 ②2農地改革:寄生地主制の解体と3自作農の創設(自作農創設特別措置法制定〔1946年〕)→封建的土地制度の解体

 ③労働組合の育成4労働組合法1945年)、労働関係調整法(1946年)、5労働基準法1947年)制定

 

❷戦後の復興

   6傾斜生産方式…石炭・鉄鋼・電力などの基幹産業に資金と資源を重点配分→復興金融金庫による資金供給→急激なインフレ(復金インフレ)

   GHQによる経済安定とインフレ収束

経済安定9原則(1948年):均衡財政(収支の一致)、融資規制など

7ドッジ・ライン1949年):均衡財政推進(8シャウプ勧告=直接税中心の税制)、

単一為替レートの設定(1=9 360円)など

→インフレは収束したが深刻な不況(安定恐慌)におちいる

   朝鮮特需1950年)…朝鮮戦争による10特需景気→戦前の経済水準を回復

 実質経済成長率 年平均の実質経済成長率が10を記録した。

 前半期195564民間企業の設備投資が成長を主導した。ただし原材料輸入の増大により国際収支が悪化した。

神武景気

もはや戦後ではない」(『経済白書』1956)といわれ、「 三種の神器 」と呼ばれる耐久消費財(白黒テレビ電気洗濯機電気冷蔵庫)が普及した。

岩戸景気

池田内閣が「国民所得倍増計画」(1960)を策定するなど、政府も成長促進政策を講じた。

オリンピック景気

東京オリンピック1964)の開催に向けて、新幹線・首都高速の建設などが行われ、公共投資が拡大した。

➌ 後半期196573) 輸出が増加し、貿易収支が黒字に転換した。また、1966年から建設国債が継続的に発行され、公共投資が拡大した。

いざなぎ景気

57ヶ月にわたって経済成長を続け、1968年にはGNPが資本主義国の中でアメリカに次いで第2位となった。また、「3C」と呼ばれる耐久消費財(カークーラーカラーテレビ )が普及した。

➍ 開放経済体制への移行

貿易の自由化

1960年代前半には貿易の自由化を推進した。また、GATT(関税及び貿易に関する一般協定)、IMF(国際通貨基金)に加盟する国として国際収支の悪化を理由とする為替制限、輸入制限ができなくなった。

資本の自由化

「先進国クラブ」とも称されるOECD(経済協力開発機構)への加盟を機に、1960年代後半に資本の自由化を推進した。

 

3 高度経済成長の要因 ★

 技術革新と民間設備投資 民間企業がアメリカから大量生産方式を導入するなど積極的に設備投資を行い、重化学工業化に成功した。

 政府による産業保護・育成政策 政府は、税制上の優遇措置を講じたり、生産関連社会資本(道路・港湾・空港など)を積極的に整備して産業の保護・育成を図った。ただし生活関連社会資本(上下水道・公園など)の整備は遅れた

 その他 中東などから、安価な石油を大量に輸入することが可能であった。また、円のレート(1㌦=360円)が日本の経済力と比べて割安であったため、輸出に有利に働いた

 

センターPOINT1

高度経済成長はどんな変化をもたらしたか!

★産業のタイプ重厚長大型産業の発展大きな機械設備を必要とする鉄鋼・石油などの素材型産業 発展

★産業構造の変化(就業人口と国民所得の変化)

 就業人口2次・第3次産業とも増加             3次産業の就業人口が60%超えたのは1980年代(センター06

      ただし、第2次産業は1970年代初めに頭打ち

 国民所得2次産業は 横ばい   

      第3次産業は一貫して 増加  

POINT2

成長の要因

➀ 欧米からの 技術導入  間接金融 、政府による 産業保護政策  割安 な円レート、安価な 石油 の大量輸入。

 

 

2006年本試35】高度経済成長期における産業発展に関する記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 産業構造が高度化して,第三次産業の就業人口割合が60パーセントを超えた。

② 規模の利益などが追求され,いわゆる重厚長大型の素材産業や装置産業が発展した。

③ 電気機器や自動車などの輸出産業が発展したが,同時に日米間で自動車や半導体をめ

    ぐって貿易摩擦が生じた。

④ 産業基盤を強化するために,政府が生産資源を重点的に配分したので,石炭や肥料な

    どの基幹産業が発展した。

解答:②

 

2005年追試05*】次の文ア~エのうち,日本の高度経済成長期における産業構造の高度化に関する説明の組合せとして最も適当なものを,以下の①~⑥のうちから一つ選べ。

ア 第一次産業の比重が著しく低下し,第二次・第三次産業の比重が高まった。

イ 第二次産業における製造業の中心が軽工業から重化学工業に移行した。

ウ 企業が安価な労働力を求めて生産拠点をアジア諸国を中心とした国外に移すことによ

  り,日本国内の生産や雇用が減少した。

エ 大企業と中小企業の間で,資本規模,従業者数,生産性,労働条件,賃金水準などの

  格差が著しく拡大した。

① アとイ ② アとウ ③ アとエ ④ イとウ

⑤ イとエ ⑥ ウとエ

解答:①

 

2004年本試19】高度経済成長期の日本経済についての記述として適当でないものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

     日本国民の家計貯蓄率は先進国に比較して高く,その預貯金が民間企業に豊富に供給

されて,企業は設備投資を積極的に行った。

     政府は積極的に港湾や道路などの産業基盤を整備し,こうした生産関連の社会資本の

充実が民間企業の生産効率を高める一因となった。

     高度経済成長期の初期には日本の技術水準は欧米に比べて低かったが,その後最新の

技術を導入することによって生産効率が高まった。

     石炭,鉄鉱石などの安価な資源が,主として地理的に近い中国,ソ連から大量に輸入

されたことで,日本製品の価格低下が実現し,輸出増加に貢献した。

解答:④

 

2003年本試40*】高度経済成長期に関する記述として適当でないものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

     この時期,製造業を中心とする第二次産業の拡大が著しく,特に造船,鉄鋼,機械,

石油化学など,重化学工業が発展した。

     この時期,家庭用電気製品が普及し,消費生活は向上したが,他方で四大公害など大

規模公害も発生した。

     この時期,設備投資のための民間企業の資金需要が拡大したが,この資金の大部分は

外国資本の導入によって調達された。

     この時期,企業は農村などから安価な労働力を調達したが,これには中学卒業直後の

若年労働者が多数含まれていた。

解答:③

 

2003年追試01】次の図は主要な耐久消費財の普及率の変化を示したものである。以下のア~エのうち,図中のA~Cに入る耐久消費財の組合せとして最も適当なものを,以下の①~⑤のうちから一つ選べ。

 

 

ア カラーテレビ        イ ビデオテープ・レコーダー(VTR)

ウ 電気洗濯機           エ 携帯電話

① A―イ B―エ C―ウ         ② A―ウ B―イ C―エ

③ A―ウ B―ア C―イ         ④ A―イ B―ウ C―エ

⑤ A―エ B―ウ C―ア

解答:③

 

 

 

高度経済成長

❶高度経済成長期…195573年にかけて年平均11 7%超の長期経済成長達成

→消費革命:消費・投資需要の拡大→GNP世界第12 2位(19682009年) 

高度経済成長期における産業発展 2006

高度経済成長期における産業発展に関する記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 産業構造が高度化して,第三次産業の就業人口割合が60パーセントを超えた。

② 規模の利益などが追求され,いわゆる重厚長大型の素材産業や装置産業が発展した。

③ 電気機器や自動車などの輸出産業が発展したが,同時に日米間で自動車や半導体をめぐって貿易摩擦が生じた。

④ 産業基盤を強化するために,政府が生産資源を重点的に配分したので,石炭や肥料などの基幹産業が発展した。

解答:②

 

高度経済成長期の日本経済 2004

2004年本試19】高度経済成長期の日本経済についての記述として適当でないものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

① 日本国民の家計貯蓄率は先進国に比較して高く,その預貯金が民間企業に豊富に供給されて,企業は設備投資を積極的に行った。

② 政府は積極的に港湾や道路などの産業基盤を整備し,こうした生産関連の社会資本の充実が民間企業の生産効率を高める一因となった。

③ 高度経済成長期の初期には日本の技術水準は欧米に比べて低かったが,その後最新の技術を導入することによって生産効率が高まった。

④ 石炭,鉄鉱石などの安価な資源が,主として地理的に近い中国,ソ連から大量に輸入されたことで,日本製品の価格低下が実現し,輸出増加に貢献した。

解答:④

2005年追試05*】次の文ア~エのうち,日本の高度経済成長期における産業構造の高度化に関する説明の組合せとして最も適当なものを,以下の①~⑥のうちから一つ選べ。

ア 第一次産業の比重が著しく低下し,第二次・第三次産業の比重が高まった。

イ 第二次産業における製造業の中心が軽工業から重化学工業に移行した。

ウ 企業が安価な労働力を求めて生産拠点をアジア諸国を中心とした国外に移すことにより,日本国内の生産や雇用が減少した。

エ 大企業と中小企業の間で,資本規模,従業者数,生産性,労働条件,賃金水準などの格差が著しく拡大した。

① アとイ ② アとウ ③ アとエ ④ イとウ

⑤ イとエ ⑥ ウとエ

解答:①

 

2003年追試01】次の図は主要な耐久消費財の普及率の変化を示したものである。以下のア~エのうち,図中のA~Cに入る耐久消費財の組合せとして最も適当なものを,以下の①~⑤のうちから一つ選べ。

 

ア カラーテレビ        イ ビデオテープ・レコーダー(VTR)  ウ 電気洗濯機           エ 携帯電話

① A―イ B―エ C―ウ         ② A―ウ B―イ C―エ

③ A―ウ B―ア C―イ         ④ A―イ B―ウ C―エ

⑤ A―エ B―ウ C―ア

解答:③