25 公害・環境問題

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❶満点の極意 公害対策は、時間的順序も念頭において押さえる

1 法制度… 公害対策基本法 1967)、環境庁1971 汚染者負担の原則 

総量規制環境基本法(→公害対策基本法の廃止、1993

無過失責任だよ2018

 環境アセスメント制度 地方自治体が先行2018

 高度経済成長期、とくに1960年代 四大公害 水俣病、新潟水俣病、四日市ぜんそく、イタイイタイ病)が社会問題化したことを背景に、公害対策が本格的に始まった

 公害対策基本法 の制定1967 環境庁 の発足(1971)はその代表的な例。

また1970年代に入ると、 汚染者負担の原則 PPP )の採用(公害防止事業者負担法)、公害健康被害補償法)、汚染物質の排出規制強化( 総量規制の採用 )なども行われた。→2018

 その後の動向については、産業公害を対象とする公害対策基本法に代わって、地球環境保全をも視野に入れた 環境基本法 が制定されたこと(1993)、 環境アセスメント法 の制定(1997)などが重要。ただし、気をつけることがいくつかある。

 ①環境基本法には 環境権 が明記されていない。

 ②環境アセスメントは民間業者も対象とする。

 ③環境アセスメント制度の導入は国よりも地方自治体の方が早かった。→2018

 

2018→大阪空港公害訴訟最高裁判決→個人としての環境権は認められない

 

満点の極意❷ リサイクル関連法はワナにはまりやすい

 1  家電リサイクル法 ・ 自動車リサイクル法 …消費者が費用を負担

 2  グリーン購入法 …環境への負荷が少ない商品の購入を国の機関などに義務づけ

 3  食品リサイクル法 …製造者や飲食店が費用を負担

 現在、 循環型社会形成推進基本法 2000)の下に、さまざまなリサイクル関連法が位置づけられている。

 ① 家電リサイクル法 は、テレビ(ブラウン管・液晶・プラズマ)、エアコン、洗濯機、冷蔵庫、冷凍庫、衣類乾燥機が対象で(すべての家電が対象ではない)、費用は 消費者 が負担する(引取業者ではない)。

 ② グリーン購入法 は、国の機関などに低公害車など環境への負荷の少ない商品を購入することを義務づけている(一般の国民は対象ではない)。

 ③ 食品リサイクル法 は、食品の製造・販売業者などが対象(一般家庭は対象ではない)。

 ④ 自動車リサイクル法 は、 自動車の購入者 の費用負担を定めている(自動車会社や販売業者ではない)。

 


2018本試15】日本の公害

日本の公害に関する記述として最も適当なものを①〜④から一つ選べ。

     公害健康被害補償法は、公害によって健康被害を受けた者に対して、汚染者負担の原則に基づく補償を行うことを定めたものである。

     公害対策に関して、国が法律によって総量規制を導入する以前に、総量規制を導入する条例を制定した地方自治体はなかった。

     大気汚染防止法によると、企業は、汚染による健康被害を発生させた場合、故意・過失がなければ損害賠償の責任はないとされている。

     騒音被害などが問題となった大阪空港公害訴訟の最高裁判決では、個人の権利として環境権が認められた。

正解→①

 

2013 私たちの暮らしと環境問題との関係に関する記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

     蛍光灯を白熱灯に替えることによって,消費電力量を少なくし,二酸化炭素の排出量を減少させることができる。

     使用済みのペットボトルや発泡スチロールなどを再利用する技術が実用化されており,循環型社会の実現が進められている。

     リン酸塩を含んだ合成洗剤は,家庭排水として川から海に流れ込み,藻の異常発生や赤潮の原因となるので,国内での製造,使用が禁止された。

     有害な化学物質の排出量を規制するために,接着剤,塗料,化粧品などの化学物質を含む商品には,全成分が表示されている。

正解→②

 

2013 私たちの暮らしの中から生じる環境問題を解決するために,近年の法律で義務づけられるようになったものとして最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

     容器包装リサイクル法で,私たちは,容器や包装をごみに出すとき,プラスチック製のものと紙製のものとに分別して出すように義務づけられた。

     家電リサイクル法で,家電の販売業者は,消費者が廃棄したテレビ,冷蔵庫などを業者の費用負担でリサイクルすることを義務づけられた。

     食品リサイクル法で,私たちは,家庭の食事に伴って出てくる残飯や食用に供されなかった食品など,食品廃棄物の減量化を義務づけられた。

     グリーン購入法で,消費者は,長く使える商品,再使用できる容器,包装のない商品を購入するように義務づけられた。

正解→①

 

2013 リサイクル法に関する記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。

     日本では,家電リサイクル法の制定以前に,廃自動車リサイクル法が制定されており,自動車の廃棄費用の負担を製造業者に義務づけている。

     日本の場合,リサイクル法は再生資源の利用促進を目的に制定され,企業が資源の有効利用と廃棄物の発生抑制に努めるよう求めている。◯

     日本では,容器包装ごみのリサイクルに関する法制化は見送られたが,分別回収の徹底により,容器包装ごみのリサイクルは実際には確立している。

     日本の場合,デポジット方式と呼ばれるリサイクル方式は製造業者のリサイクル責任を明確にしたリサイクル法に依拠しており,既に普及している。

正解→②

 

2014 日本における公害問題の解決に関する記述として最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。 

     日本政府は,1970年代初めに環境庁を設置して公害対策行政を一元化し,その後四大公害訴訟の判決を踏まえた公害対策基本法を制定した。✖

     環境影響評価(アセスメント)に関する条例は,地方自治体が事業主体となる地域開発が自然環境に与える影響を予測・評価するものであり,民間の開発行為を規制するものではない。

     公害対策基本法は,都市公害を念頭に置いていたものの,地球環境に関する諸問題を考慮していなかったため,これらに対する施策を盛り込んだ環境基本法が制定された。

     国や地方自治体が行う公害防止事業の費用の一部を公害発生事業者が負担することを義務づけた法律は,汚染者負担の原則に基づいて制定された。

正解→②

 

2014 下線部関する記述として適当でないものを,次ののうちから一つ選べ。

   日本では,コンビナートの工場から排出された硫黄酸化物(亜硫酸ガス等)が原因で,ぜんそく患者が多発する公害が起きたことがある。

   環境ホルモン(内分泌かく乱物質)の一種とされるダイオキシン類は,廃棄物の焼却などによって発生することがある。

   日本では,建材などに使用されていたアスベストが飛散し,それに伴い発生した健康被害が間題となったことがある。

   酸性雨の原因物質の一つであるメタンガスは,家畜の(ふん)尿(にょう)などから発生することがある。

正解→④