NO1列強の接近 POINT
ロシアに関する出題では、ラクスマン・レザノフ・ゴローウニンが定番で、これに対する幕府の蝦夷地対策では、近藤重蔵・最上徳内・間宮林蔵の動きをおさえる。幕府による蝦夷地直轄化も見落とさないこと。次は、イギリスによるフェートン号事件とその後の異国船打払令、アメリカ商船モリソン号打ち払いと蛮社の獄がポイント。難関大では幕府の対応、海岸警備を命じられた諸藩、地図も正確に把握しておきたい。
NO2 開国とその影響 POINT
日米和親条約・日米修好通商条約に関連する事項が中心となる。条約調印に至る経過では関係した人物名、条約の内容では開港地などが要注意であるが、とくに不平等条約の内容は頻出事項である。貿易の開始では、輸出入品と、貿易が日本に与えた影響がよく狙われる。五品江戸廻送令、万延小判は頻出事項。井伊直弼に絡んで将軍継嗣問題・安政の大獄なども視野に入れておく。
近代3 江戸幕府の滅亡 POINT
情勢が複雑に展開する時期なので、歴史の流れを整理しておきたい。桜田門外の変で幕府の権威が急速に衰えると、公武合体による幕府権威の回復をはかる動きが出てくる。薩摩藩も公武合体の立場から、勅使を奉じて島津久光が江戸へ乗り込み幕政改革を要求し、徳川慶喜が将軍後見職として登場する。後はテロリスト集団尊王攘夷派長州藩の動向をたどる。禁門の変・長州征討で後退した長州藩は、四国艦隊下関砲撃事件のあと、高杉晋作による奇兵隊の挙兵で、藩論を恭順から倒幕へ転換した。一方、薩摩藩は、薩英戦争で開明政策へ転じ、のちに薩長連合が成立し倒幕派が形成された。この後は、大政奉還の上表・王政復古の大号令へと一直線である。早慶では江戸幕府の滅亡の出題がない。代わりに青山学院大の問題を選択してみた。
近代4 明治新政府の成立 POINT
戊辰戦争・五箇条の誓文・五榜の掲示の内容は頻出事項である。歴史の流れは慶應・経済で把握しておこう。版籍奉還・廃藩置県は最頻出事項で、教科書欄外の注など細部まで出題される。中央管制では、政体書による太政官制の採用、版籍奉還後の二官八省制、廃藩置県後の三院制の変遷をおさえておく。四民平等では3族籍と壬申戸籍、秩禄処分による士族の没落がポイントになる。
近代5 文明開化のPOINT
思想界では、中村正直らの翻訳書による啓蒙思想の紹介、明六社社員の福沢諭吉・加藤弘之らの著作が重要。とくに加藤弘之は天賦人権論から国権論へ移行しているので注意がいる。教育では学制と私学の設立が頻出。宗教では、神仏分離令・大教宣布の詔とキリスト教黙認をおさえておく。
近代6 殖産興業と松方財政のPOINT
殖産興業では鉄道・郵便などの分野が、官営模範工場では富岡製糸場が要注意。官有事業の払下げ先、古河財閥が早稲田田中正造関連で出る。金融制度では新貨条例・国立銀行が頻出されるが、細部の事項に関する出題もあるので用語集などにもあたり準備しておく。財政では地租改正が狙われる。近代的軍事制度はその成立経過と徴兵令・血税一揆をおさえておく。
近代7 自由民権運動のPOINT
早稲田の頻出テーマの一つ。四つの時期に分けられる。開始期は士族民権の時期で、士族中心の運動で愛国公党の設立、民撰議院設立建白書提出、愛国社の設立と続く。これに対する讒謗律・新聞紙条例による弾圧をおさえる。早稲田大では教科書の細かい部分まで出題あり。発展期(豪農民権)は、国会期成同盟の結成と集会条例の公布、国会開設の勅諭の発布と、自由党・立憲改進党が結成される時期である。激化期(農民民権)は福島事件・秩父事件が頻出事項、民権運動衰退の契機となった加波山事件も要注意。再建期は、大同団結運動・三大事件建白運動が重要なテーマとなる。運動の高揚と弾圧法の関連、運動の流れをその中心人物とともにおさえることが肝心。
近代8 憲法制定のPOINT
憲法制定では、伊藤博文のヨーロッパ派遣と、帰国後に憲法制定に関わった人物、枢密院が頻出事項。憲法の内容では天皇大権が出題の要。憲法制定にともなう内政改革は華族令・内閣制度、地方制度改革では山県有朋とモッセがポイント。市制・町村制、府県制・郡制は内容よりも年代が狙われる。諸法典の編纂は民法典論争が頻出テーマ。
近代9 初期議会のPOINT