【解法のヒント】
主題→官道はどのような目的で利用されたか!
条件→律令国家の支配制度と関係させて説明する。
→書くべきことは何か!
律令国家の地方制度としては、畿内、七道に行政区分され、国・郡・里が置かれた。そのうち、国には、中央から貴族や官人が国司として派遣され、中央政府の指揮のもとに役所である国衙を拠点に統治した。国衙には政務・儀礼を行う役所や国司の居館などが設けられ、一国内の政治・経済の中心地であった。だから、官道は重要な交通となったのである。
中央と地方をつなぐのが官道である。都と諸国の国衙を結ぶために整備されたのが、山陽道・東海道などの七道で、約16kmごとに駅家を設ける駅制がしかれていた。この制度は国司が地方を統治するための文書の伝達や官人の移動に利用された。これらをまとめればよい。
問2
主題→中世の紀行文を一つあげ、作者名と旅行の目的を述べる。
これは難しい。阿仏尼の『十六夜日記』だが受験生は答えられないだろう。教科書にも記載はあるが、内容は書かれていない。所領問題を解決するため、京から鎌倉へ下った。
問3
主題→幕藩制国家における五街道の交通の運営方式を述べる。
幕府が直轄領としている五街道を説明すればいいだろう。「運営方式」は、五街道を管理した役人をあげ、江戸幕府が交通の便宜を図ったことを中心に説明すればいい。すなわち、道中奉行の管理下、幕府・大名などの御用通行が優先されたこと、宿駅や一里塚などを整備して旅行者の便宜を図った。宿駅には人馬の常置が義務づけられていた。街道の要所には治安維持を目的とした関所が設けられ、通行人の監視に当たった。以上をまとめればよい。
問4
主題→幕藩制国家において海上・河川舟運の役割が大きかった理由を述べる。
条件→政治的・経済的理由を述べる。
大量の物資を安価に運ぶためには、海や川などの水運が適していたことを想起したい。角倉了以や河村瑞賢について触れる必要はない。政治的理由として、幕府領主層は、百姓から徴収した年貢米などを換金して貨幣収入を得ることで、藩の財政を支え、参勤交代などの費用を捻出していた。年貢米は大坂や江戸に廻走していた。以上をまとめればよい。
経済的理由は、各地の産地から送られる商品(納屋物)も活発に取引され、大坂から江戸をはじめ全国に出荷された。