【解法のヒント】
問われているのは、1930年から1935年の間に大都市に人口が集中しているので、その時期の国家的な政策である。高橋財政を想起したい。何故なら、大都市への人口移動が起こったのは、商工業やサービス業の発達である。産業合理化によって綿織物業では綿布の輸出が、イギリスを抜いて世界第1位となった。また、輸出の躍進に加え赤字国債の発行によって軍事費・農村救済費を中心とする財政出動は産業界を活気づかせた。金属・機械・化学工業の隆盛である。こうした大都市圏の活況が人口移動をもたらしたと推定できる。
【論述のポイント】問1
高橋財政のなかで人口移動につながる政策を書けばよい。教科書347〜348に記述されていることを吟味して、都市部に人口集中を導いた政策を考えるとよい。
問2
問われているのは→1935年から1940年の間に大都市へと人口集中を導いたこの時期の国家的な政策。
1936年広田弘毅内閣の大規模な軍備拡張計画があげられる。戦艦大和や武蔵も建造された。また、近衛文麿内閣の巨額な軍事予算の編成と直接的な経済統制である。国家総動員法に基づく国民徴用令で一般国民が軍需工場に動員されたことを書きたい。
問3
問われているのは→1940〜45年の間の大都市部における人口減少である。また⑵戦時下の政策的な対応と戦況の変化。
【論述のポイント】
政策的な対応→学徒出陣を書けばよい。
戦況の変化→本土空襲とそれにともなう、軍需工場の移転、学童疎開を書きたい。
問4
問われているのは→1950年から1970年、この変化の中で日本の農業の変化を具体的に説明。但し、1961年に制定された法律を含めて。
【論述のポイント】
高度経済成長にともなう第2・3次産業への若年労働力の集中、農業への職離れについて書きたい。
農業基本法の制定によって、農業の効率化が進められ、兼業農家が増加したことを書きたい。