2015 年度大学入試センター試験 解説〈現代社会〉
第1問 権利と法制度 ( 配点 22)
問1 正解は3。 3 インターンシップは学生の就職時のミスマッチなどを防ぐことを目指し,職業意識 の養成を就職活動前に行うために 1990 年代後半以降盛んになっている。 1 職業選択の自由は経済の自由に含まれる。 2 ニートには職業訓練中の者は含まれない。 4 障害者雇用促進法により障害者雇用が企業に義務づけられている。
問2 正解は1。 1 ソクラテスは,真の知識へたどり着くためには,自分が善などの真理について知っていないということを知る必要がある(無知の知)とした。 2 「考える葦」はパスカルの表現である。 3 選択肢文のような思考方法は,帰納法である。 4 人間中心主義の考え方の発達により,科学技術が発達した。
問3 正解は4。 4 誤り。国民生活センターは消費者支援のための独立行政法人であるが,1968 年の消費者保護基本法などの消費者保護の流れを受けて設立され,現在もその役割を担っている。 123 いずれも正文である。
問4 正解は3。 3 アクセス権は「サンケイ新聞」意見広告事件などで取り上げられた権利で,社会的問題に意見を持つ者が,マスメディアにアクセスして自分の意見を発信するなどの権利を指す。
1 日本国憲法第 37 条 3 項に弁護人依頼権も規定されている。
2 憲法第 40 条に刑事補償の規定がある。 4 プライバシーの権利は,『石に泳ぐ魚』事件などで判例として確立し,認められている。
問5 正解は2。 2 刑事訴訟法の規定により,有罪になった者にとって有利である場合で,一定の条件を満たした場合に再審が認められる。なお,無罪となった事件での再審はない。 1 行政機関が終審として裁判を行うことは,憲法第 76 条 2 項により禁止されている。 3 少年事件は主に家庭裁判所において扱われる。 4 裁判員は有罪か無罪かの評決にも参加する。
問6 正解は1。
1 誤り。製造物責任法(PL 法)においては,製造業者の過失の有無にかかわらず,製造業者が消費者に対して責任を持つ無過失責任が定められている。 234 いずれも正文である。
問7 正解は4。 4 誤り。男女雇用機会均等法では当初昇進に関して男女均等待遇は努力義務規定であったが,改正により性別を理由とした差別的取り扱いは禁止規定となった。 123 いずれも正文である。
問8 正解は2。 現代社会特有の社会調査・課題検討手法に関する出題。
ア 「自由にアイデアや意見を出し合う」ことは,議論して見解を確定していくのではな くそれぞれのアイデアをなるべくたくさん表に出すために行うブレインストーミング の特徴である。
イ 「賛成するグループと,反対するグループに分かれて,互いに自分たちの意見を論じ 合う」はディベートの手法である。 ウ 「質問紙を配布し,回収する」は,アンケートの特徴となる。 以上の組合せとなるものは2である。